おさん稲荷神社

 千畳敷から下ってくるとおさん稲荷がある。ここに祀られているおさん狐についての説明看板がある。設置されてから年月が経ち、読みにくくなっているので、写し取ってきた説明文を紹介しよう。


 一関の周辺にいたずら狐がいろいろ居た。

 三関の太郎、雁江二郎(中里)、おたてのおさん(釣山)、ばぶ沢おたつなという狐はそれぞれ村民を悩ませた昔話を残している。一関のあんまが夜中に家中へ呼ばれてつれて行かれたがいつも歩く道とは違った感じの所を急いで歩かされ、やがてお手車でかつぎ上げられたが、とても立派な御殿へ通された様子だった。

 やがて身分の高い役人がでてきて「尊いお方のお産を手伝ってもらいたい。いやならこの場で命を捨ててもらいたい」という。そこでそれを引き受けその方を診察したら古狐だった。しかしなんとか安産にとりつけたら大変喜んで、お祝いのごちそうを出されたがこれ又豪華なもので、めったに頂かれぬようなものばかりだった。そしてこの事はくれぐれも秘密にしておくことを厳重に云いわたされ、お土産をどっさりもらい、来たときの様に特別な乗り物でどこを通ったかわからぬうちに家に帰っていた。

 その夜、ご家中の身分の高い家で婚礼の祝宴があったが、数を数えればちゃんと合うのに一人分不足して、てんてこまいをしたという話が伝わった。

 そのあんま、その話をよくよく考えてみると、おさんぎつねのお産を手伝い、足りなかった一人分は自分がごちそうになったのだと気がついたが死ぬまぎわまで誰にも話さなかったという。

 この山は一般人の入れぬ山(留山)だったから、山の中のお宮や御殿も殿様の御用のものばかりだったので、ここには三王社や住吉社があり、又松樹堂があり、永雪寺池上亭もあったと云われる。(公園の説明看板より)

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